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真尋さんがカフェでいつも頼むのは砂糖やミルクを入れた珈琲で、ブラックを私が運んだことはない。
私が運んでないときにブラックを飲んでたかもだけどね。
ミルクティー色の髪だから、ミルクティー飲むようなイメージだから、ブラックというイメージはなかったな。
「椿姫はココアね」
「あ…有難う御座います」
私の名前、いつから呼び捨てになったんだろう。
この歳で“椿姫ちゃん”て呼ばれてるのも不自然だろうから気にしないんだけど。
座っていいよ、と笑われて私は傍にあったソファーにそのまま座る。
ココア温かいし、美味しい…。
少しだけ口をつけながら、何となく家を見渡す。
広いから、リビングかな。
家具も必要以上にないって感じで凄い落ち着いてる。
あの時計の形お洒落だなー。12時……2分くらい?
「椿姫ー、ココアを美味しそうに飲んでくれるのは嬉しいんだけどね」
「はい?」
「学校はいいの?」
「……!」
どうしてそれを早く言ってくれなかったの!
ココアを一気に飲み干し、胸の辺りが少し熱くなった気がしながらも慌てて立ち上がる。
あー、もう。家に帰って、制服に着替えて…その前にシャワー浴びて、あああもうっ!
昨日が日曜日だったことすっかり忘れてた。体が疲れきってるし、頭は重いし、だからと言って学校に行かないわけにはいけない。
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