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表通りから露地を抜けた先の古いビル。
小さな趣のあるドアが印象的なあたしの隠れ家。
bar rain
カウンターの端っこに座り、ビル最上階の9階から環状線を眺める事があたしの至福の時。
アンティークな薄暗いランプが心地よくて、必ず一人で訪れる店だった。
「こんばんは」
「いらっしゃい、今日は早いね」
「バーボン頂戴。ロックでね」
手入れされた顎髭が似合うマスターは少し目尻を下げロックグラスに手を伸ばした。
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