9人が本棚に入れています
本棚に追加
「最近、やたら敵さんが多くなったと思わないか?」
撃ち殺した異形のモンスターを見下ろしながら、NK(ナチュラルキラー)隊の兵士、アルファが尋ねた。
「ああ。気温が下がって、神の御力がやや減っている。そのせいで国全体のエナジーが衰えているからな。
こいつらが侵入する絶好のタイミングってわけだ」
同じくNK隊兵であるオメガが、銃口を自身が踏み付けているモンスターに向ける。
モンスターは、まだ僅かに息があるのか、苦しげにもがいていた。
瀕死の状態の中、ぐにゃりとモンスターの頭部が分裂する。どうやら、なけなしの力を振り絞って、増殖しようとしているらしい。
「こいつらには知能のカケラもねぇ。
単純に増殖して、侵略して、また増殖して……。まさしくバケモノ、モンスターさ。
あばよ、バケモノ、さっさと死にな」
手にした銃の引き金を引く。
パチュン、と静かな音が響き渡り、モンスターが動かなくなった。
やがて、モンスターの体はどろりと溶け、その形を失う。
「全く、いつまで続くのかねぇ。
敵さんがどのくらいいるのか想像もつかねぇや。俺達が勝利すりゃ、姿を変えてまたやって来やがる」
「終わらねぇさ」
最初のコメントを投稿しよう!