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「新手の敵襲あり! 乗っ取り(ビールス)タイプの敵です!」
マクロファージ兵がそう叫んだかと思うと、目から耳から気味の悪い色をした液体を流した。そして、体が膨らんだかと思うと、ギャッ、と断末魔の悲鳴を上げてその体を崩す。
弾け飛んだ兵士の体から、気味の悪い色をした液体の塊がいくつも四方八方へ飛び散った。
その液体が兵達に次々と襲い掛かる。
「くそ、最後の最後にビールスタイプの敵かよ! 奴ら、どこかに隠れ潜んでやがったな!」
アルファが銃を構え、こちらに覆い被さろうとする気味の悪い液体の塊を撃ち落とす。
敵は大きく2タイプいる。
ひとつはモンスタータイプ。自身で増殖する。それ単体で長く生きることが出来る。モンスターであるものの、まだ生物だ。
もうひとつが乗っ取り(ビールス)タイプ。
自身単体では増殖することも出来ず、長く生きることも出来ない。厳密に言えば生物かどうかも怪しい。
生命としては最弱。だが最凶の奴らだ。
ビールスタイプの敵は、国に侵入すると、まず民や兵を狙い、その体を乗っ取る。
そしてその体の内部で増えていく。
宿主の内部を食い尽くし、もはや宿主が耐えられなくなると、宿主を食い破り外へ出てくる。
そして、新たな宿主を見付けてその体を乗っ取るのだ。
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