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店から出ると雨が降ってきた。タクは傘を開き、雨をしのぐ。
「降ってきたな、結構強いぞ」
「そろそろ帰るか。タク、入れてくれ」
「神坂と相合傘?まぁいいけどよ」とタクは俺の方に傘を寄せた。
家路に着く道で四つ角に当たる。ここでタクは右に曲がり、俺は左に曲がるのだが、タクは「送っていくよ」と俺ね家まで行くことにになった。
家が見えてきた時、自販機の灯りで照らされた男性の姿が見えた。男性は傘を差しておらず、俺の家を眺めている。
「なんだあの人?神坂の知り合い?」
「いや、まったく」とその男性を見ると、男性は俺達に気付いたらしく此方を見た。そして水溜まりを踏み、バシャバシャと音を立てて近づいてくる。
「神坂 剣護だな?……フン、こんなトロそうなガキが白の王か」
「えっと?すいませんがどちら様ですか?」
「名乗る必要はない。どうせお前はここで死ぬ」
男性は俺に向かって右手を前に出した。すると、手の周りを光の粒子のようなものが集まりだし、刀へと形を変えた。
「黒の王、黒崎 凛聖……。いざ、参る!」
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