第一章:殴る神あれば拾う神あり(前編)

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「えっと、さっきの人……赤口先輩と同じ部活の人ですよね?」 「はい、私は咲華 千歳(サキカ チヒロ)といいます」  僕の名前は知っているみたいだし名乗る必要はないのかな?  変態さんはそのまんま赤口だし、この娘は…… さきかちひろ→さきかち→先勝 ってところかな? ちょっと強引だけど、ちゃんと六曜だね。 確かにこれはコンプしたくなる気持ちも分かる。 というか僕もこれの為だけでもいいからこの人達の部活に入ろうかと思ってしまう。  僕は食玩とかを一度買ったら全部揃えてコンプリートするまで買い続けてしまうタイプだ。 ポケモンも151匹揃えたりしている。  それにしても咲華さんか……綺麗な青色の髪に黄色い眼、165cmぐらいの女の子にしては長身のべっぴんさんだ。 もう髪色には突っ込まないが、綺麗で優しそうな人だ。 「何をやる部活なんですか?」 「んーとね、色々やっているよ。 最近だとこの地域の不思議について調べたりとか」 なるほど、漫画とかでありそうな感じの部活か。 「不思議って?」 「例えばですけど……何故かポイ捨て出来ない公園などについて」  ああ、都市伝説とかを調べているのかな? 何故かポイ捨て出来ない公園というのは何かで聞いた覚えがある。 曰く、その公園でポイ捨てするとポイ捨てされたゴミが空中であり得ない動きをして、その公園のゴミ箱に飛んで行く。 という意味不明な物だ。 何て言うか……意味が分からなさすぎて、逆に本当になるんじゃないかと思ってしまう程に意味不明だ。 「それでどうだったんですか?」 「……ゴミはちゃんと分別されていました」  随分とレベル高い機能ですね。
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