序章:拾う神あれば拾う神を拾う者あり

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 取り敢えず餌を用意しないとな……。 うーん、牛乳でいいかな? まだ仔猫みたいだし。  牛乳を取りにキッチンに向かう。 「おい小娘、無視するなよ」  いーや、無視するね。 幻聴に反応したら悪化するって聞いた事があるし。 「えーっと牛乳牛乳」  僕より少し小さい120cm程の冷蔵庫から牛乳を取り出して、棚から出した小皿に入れる。 ……人肌ぐらいに温めた方が良いんだっけ? 「我は牛乳何ぞ飲まんぞ」  幻聴を無視してにゃ五郎の前に牛乳を置いてみるが飲む気配はない。 「我は寝食は必要としないぞ」  ……幻聴の言うことに従うのは癪だが、仕方がないな。 信じよう。  なんかもう眠いな。 牛乳を飲む気配はないし、汚れたりもしてないから洗う必要もないかな? いや、ノミとかダニがいるかもしれないしお風呂で洗ってから寝よう。  ひょいっ、とにゃ五郎を抱き上げてお風呂場にまで連れて行く。 「我は汚れてないぞ? 小娘」 あー、カウンセリングとか受けた方がいいかな? 幻聴が止まらないよ。
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