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パジャマの袖を捲り、蛇口を捻る。
相変わらず聞こえる変な幻聴は無視して、にゃ五郎に人間用のシャンプーを使って洗ってみる。
猫はお風呂が嫌いとか聞いた事があったが、逃げたり嫌がったり等の行動も起こさない。
にゃ五郎が特別なのかそれともデマだったのかは分からないけど、順調ににゃ五郎の全身を洗い終える。
そうするとにゃ五郎のふわふわで真っ白な毛並みはふわふわで真っ白な毛並みへと変化した。
……つまり全く変化がない。
やっぱり神様の送り物的な存在なのかもしれないな。 喋るし。
うん、初めは幻聴のせいとかなかった事にしようと思ったよ。
でも無理だった。
「シャンプーが目に入る」だの「肉球ばかり触るな」だのと何度文句を言われた事か。
ちなみに、にゃ五郎の決めては「引っ掻くぞ」だった。
痛いのは嫌い……大嫌いなので引っ掻かれないように、諦めてにゃ五郎が話す事実を認める事にした。
「それで小娘、何処から話してよいのかが分からないので順をおって説明していくがよいか?」
「いや、眠たいから明日にしてよにゃ五郎。
夜更かしはお肌に悪いらしいよ?」
「いや、まだ9時……」
眠くなったら寝る、これが僕流の美容法だ!
いや、みすぼらしかったり不細工だとか汚いとか思われなかったらいいかな? 程度にしか考えてないから全然気を使ってたりはしないけどね。
まぁどっちにしろ寝ると決めたんだから寝るけど。
にゃ五郎を抱き上げて寝室へと向かう。
ちなみに僕の家は割りとお金持ちだ、一人暮らしをする娘にこんな家を買い与えれるぐらい。
にゃ五郎の頭を撫でながらベッドに横になる。
うん、抱き枕としての使い心地は最高だね。 少しうるさいのが勿体ないけど。
そんな事を考えながら僕は目を閉じて眠る体勢に入る。
寝る子は育つって絶対嘘っぱちだね、僕は早寝遅起だけどこんな体形だし……。
はぁ……朝起きたらグラマーになってないかな?
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