はじまり

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ぱきん 踏み出した足が小枝を踏み、高い音が森に響く しんと静まり返り、吐き出した息が白く色付いた 足元には、先程気絶させた幾人もの白衣を着た人間が転がる 目の前に聳える小さな屋敷を視界に映し、盛大にため息をついた 「くっそ…!なぁにが、楽勝ですから頼みます、だよメフィストの野郎…!」 人間ばっかりじゃねぇかと苦々しく呟く三十路半ば程の銀髪の男、藤本獅郎 彼は正十字騎士團に所属する上一級祓魔師だ 藤本はタバコの火を消し、祓魔師のコートのポケットから出した新しいタバコに火を付け、口にくわえた そして一枚の紙に目を落とし、ニヤリと笑った 「…さて、探しに行くか」 ぱきん 高い音が、再び森に響いた
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