はじまり

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ライターの明かりで照らし出されたその部屋…地下室の中は、地獄のような場所だった 研究所のような設備が整い、一台の実験台と数々の道具やカプセル そしてそれらに付着する、夥しい程の血液 「んだ、こりゃ…」 赤黒く変色した古い血液 鮮やかさを持った、まだ新しいであろう血液 実験台と、そこから滴り落ちたであろう部分が特に酷い それらを見た藤本は、じり、と一歩下がる そして息を吐くと、再びライターを掲げて前へ進む かつんかつんと静かに鳴り響く足音 やけに広いその実験室一番奥には、鉄格子で囲まれた牢屋のようなものがあった そして見つけた 鉄格子に捕われた、暗い緋色の少女を
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