幽霊ロッカーfile2

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翌日。 「おぉ、高峰。 今回も現場に居やがったか。」 「好きで居る訳じゃねぇよ。 で? 何か分かったのか?」 「ガイシャの頭部には鈍器で殴られた跡があった。 それに加えてロッカーのドアに何度も顔をぶつけた跡も見つかったよ。 頭部を殴った鈍器はまだ見つかっとらん。 死亡推定時刻は昨日の夜7時~7時半の間だそうだ。」 「私と竜之介が財布を取りにここに来たのが7時40分ぐらいでした。 そうなると私達が来る少し前に店長は殺されてたんですね…。」 「なぁ、刑事さん。 今回の事件は内部の犯行と見て間違いないと思うんだけど、警察はどう見てるんだ?」 「警察としてもそうだ。 このロッカーは関係者以外立入禁止だし、レジの向こう側だから忍び込むのはまず無理だ。」 「だよな。」 「でも内部の人間でもこれを開けるのは鍵がいる。 そうか! 業者が犯人と言う可能性も…。」 「…ねぇよ。 それより関係者は?」 「おぅ、ここの店は人手不足で一人ずつ交代交代で店番しとったらしい。 今日は四人で回ったそうだ。」 「うん、私と奈緒と店長と幸子さんだよ。」 「あの、本当なんですか…? 店長が…。」 「あっ…幸子さん。」 さっきまで泣いていたらしく目が赤い。 「幸子さん、店長と恋仲だったんだって…。 可哀想だよね。」 「心中、お察し致します。 ですが、今はこう言った状況ですのでお話しをお聞かせ願えませんか?」 「はい…。 私はその時間は買い物をしていました。 その時のレシートです。」 大きく膨れ上がった小銭入れを取り出し、中からレシートを出す。 「高杉デパート夜7時か。 このデパートはここから少し離れてるな。」 「あっ…あたしは友達と7時に待ち合わせしてたからその後は朝まで遊んでたわ。」 おずおずと奈緒が言う。 「ったく…最近の若いもんは…。」 「貫禄出てんぜオッサン。」 「うるせぇよ。 とりあえず昨日のメンバーはこれで終わりだ。 一応、昨日出てない二人にも話を聞いたが、それぞれ家に居たそうだ。 中野は一人暮らしだが新聞の勧誘が7時に勧誘に来とったらしい。 もう一人の米元は家族と居たらしいから家族が見とるからな…。」 「全員アリバイ確定か…。」
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