幽霊ロッカーfile2

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「うーん…。」 「竜之介、大丈夫?」 「いや、恐らくだけどもうピースの半分は繋がってる。」 「えっ…早い。」 「そして、俺の推理が正しいなら今回の犯人は今までの犯人とは違う。 むしろ可哀想な奴なんだ。」 「どう言う事?」 「今回の事件は計画犯罪じゃないって事さ。」 「計画犯罪じゃない?」 「恐らく最初、犯人は店長を殺す気なんて無かった。 でも仕方無かった。 そんな所だろう。」 「よく意味が分からないよ…。」 「まぁ聞けよ。 思うんだが、俺達が来た時更衣室は真っ暗だっただろ? お前も落ちてた懐中電灯を使わなきゃ見えなかったんだよな?」 「うん。」 「それは犯人も同じだった筈なんだ。」 「この懐中電灯は?」 「多分それは犯人が使ってた物じゃないよ。」 「えっ…? じゃあ誰が…? まさか幽霊じゃ…。」 「アホか。 お前もちっとは考えろよな。 犯人以外にここに居たのはお前以外に誰が居たよ?」 「てっ…店長!?」 「ご名答。 問題は犯人がその代わりに何を使ったかなんだよな。 でも問題はそれだけじゃない。 これが計画犯罪じゃないとすれば、犯人は凶器なんか持ってる筈もない。 犯人はその凶器を持ち去ってるし、恐らくは犯人が普段から持ち歩いてる私物なんだ。 うーん…。」 「私物で硬い物…。 財布とか?」 「小銭入れとかならともかく…。」 「だよね…。 あっ、ごめんそろそろ時間だから行くね。」 「おう。」 華夜が去ったのを確認し、推理通りにロッカーを開く。 「やっぱり推理は間違って無かったんだ…。」 「ん…?」 血の付いたそれを拾い、ため息。 「やっぱりだったんだ…。 後はアリバイだけだ。」
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