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「で、何だよ。
こんな所に呼び出して折り入って話しってのは。
休日の昼間のファミレス。
そこに竜之介と華夜は向かい合って座っている。
「うん。
実はね、竜之介に調査をお願いしたいって人が居て…。」
「調査…?」
「ねっ、奈緒。」
後ろの席に座っていた女子が、呼ばれて華夜の隣に座る。
「うん…。
あんたが華夜が言ってた幼なじみ…?
お願い、幽霊ロッカーを調査して!」
「は?」
いきなりの発言に思わず拍子抜けする竜之介。
「は?って…幽霊ロッカーよ!!」
「幽霊って…。」
「だってそうでしょ!?
鍵がかかってる女子ロッカーから物が消えるのよ!?
これが幽霊じゃなかったらなんなのよ!?」
「いや、だからって…。」
「じゃあ何…?
人が鍵を壊してこじ開けたとでも言うの?
そんな痕跡無かったわよ?」
「落ち着けよ。
鍵は他に無いのか?
予備の鍵とか保管して無いのかよ?」
「盗難騒ぎがあってからは予備も各自で保管するようになったのよ。
それでも盗難騒ぎは終わらないんだから!」
「竜之介、何だか気味が悪い…。
どうにかならないの?」
「ってもなぁ…。
それは俺の専門外だ。
刑事さんにでも頼めよな。」
「警察が宛にならないから頼んでるんじゃない!」
「うーん…。
でもまぁ、とりあえずこれだけは言えるよ。
これは幽霊の仕業なんかじゃない。
人間の仕業だ。」
「その根拠は?」
「勘だ。」
「勘って…適当な。」
「現実とファンタジーは違うぜ?
実際に起きてるんだから誰かがやったんだよ。」
「それは分かるけど…。」
「まぁ、見てみないと何とも言えないよ。」
「うん。」
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