幽霊ロッカーfile1

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「で、ここがそのロッカーか。」 「そうだよ。 宜しくね竜之介。」 「で…? その格好はなんだ…?」 私服の竜之介に対し、コンビニの制服姿の華夜。 「見ての通りコンビニの制服だよ。」 「そう言う事言ってんじゃねぇよ。 お前もバイトか?」 「あんたには華夜がコスプレでもしてるように見えるの?」 「アホか。 何も聞いてないから気になっただけだよ。」 「ふーん。 で、どう? 何か分かりそう?」 「いや、それが全然。 それこそ幽霊がやったんじゃないかってぐらいにしか思えない。 見た感じセキュリティーは万全だし、鍵なきゃ開きそうに無い。 店長が隠し持ってんじゃないのか?」 「ちょっと…あんた店長を疑ってんの?」 「少なくとも外部犯の犯行はまず無い。 そう考えたら、犯人は内部だ。 で、こう言うのに一番詳しいのは恐らく店長だろうしな。」 「まぁ…そうだけど…。 店長はそんな人じゃ…。」 さっきまでの勝ち気な態度から一転して大人しくなる奈緒。 「まだ何とも言えねぇよ。」 「大丈夫だよ奈緒。 頼りなさそうに見えるけど、竜之介は本当は凄いんだから。」 「お前は…。 一言多いんだよ」 「うん…。 分かった。」 ピリリ! 「あっ、奈緒、電話鳴ってるよ?」 「本当だ。 ちょっとごめん。」 慌てて取り出したせいで、携帯は地面に落ちる。 「あっ…大丈夫!?」 「うっ…うん平気! 衝撃に強いのだから。」 慌てて携帯を拾い、出ていく。 「また随分ストラップ付いてんな。」 「女子の間では最近あれぐらいが普通だよ。 私はあんまり付けてないけど。」 「へぇ…。」
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