初日!

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十神先生が言うには、この箱はAIで、俺たちの感情、怒りや悲しみ、優しさ、希望などを糧として自分にあった武器を精製してくれる、らしい。日常生活でも様々なサポートをしてくれるので実に大助かりと嬉しいのだが、なんせこんなに使い勝手がよく、最新技術の塊なのだ。俺が一生働いても買えるかどうか…それ程の額がする代物。一体いくら請求されんだよこれ…。 「あ~ちなみに代金はいらん。無料配布だから今金額予想してた奴、払いたいなら私に寄付しろ。酒場で大いに使ってやる」 む、無料配布!?最新技術が!? 「この学園が世界各国から資金援助を受けているのはわかっているな。その中にはな、このAIを量産する資金も含まれているわけだ。いらんというものは今私のところにもってこい。目の前で粉々に砕いてやる。どうした?いないのか?いないなら次にいくぞ」 テンポが早い先生だ。 「よし、では今からこの最後の三年間について説明する。小は学、中は体、高は何かわかるか?月(つき)、答えろ」 月と呼ばれた子が席を立つ。髪が長く黒い艶のある女の子。しっかりとした顔立ちで、美しいと心の底から思える美人だ。 「はい、高は氣を学びます」 凛とした声が心地よく、頭に響いてくる。 「よし、座れ。では、『氣』について山糸(やまし)、説明しろ」
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