初日!

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月と入れ替わるように席を立つ山糸。こんどは男子だ。眼鏡がよく似合う顔つきの彼は眼鏡くんと呼ばれていそうだった。うん、どうでもいいや。 こほんとわざとらしく咳払いをし、 「それでは『氣』について簡潔に話します。人の体には少なからずこの『氣』が存在します。これは人の感情によく反応し、優しさ、嬉しさ、勇ましさ、など前向きな気持ち、感情の場合善の氣になります。これを『灯(とう)』と呼びます。また、妬み、恨み、憎しみ、など後ろ向きな感情の場合悪の氣になり、これを『堺(かい)』と呼びます。これら2つの氣は切っても切り離せません。ですから、堺を発することは別に問題ではなく、逆に灯を発する場合最悪なパターンになることもあります」 「よし、まぁそんなとこでいいだろ。ありがとう山糸」 「いえ、お役に立てて光栄です」 眼鏡を一度くいっと中指であげて山糸は席に座る。 「え―気づいたと思うが月と山糸、あと数名は去年この学園の中三だった奴らだ。だが新入生たち、臆するな。私は私情はあまり挟まん。だから一歩遅いなんて思うことはないぞ。私はちゃんと評価するからな!」
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