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心配してくれるみんな(まぁ山虎は何も言ってない気が…)の言葉が温かい。涙が次から次から溢れてぐしゃぐしゃになる顔。
これだ。
これが俺が求めていたものだ。
「みんな、ごめん。ありがとう…」
「な、なに謝っとんじゃ」
「そうよ。てか感謝って」
「不思議不思議ですぅ~」
俺を1人の人として見てくれているみんなが眩しく見えた。
3人の顔をみる。真っ直ぐ見つめられるその瞳に俺は…涙を拭って、
「改めて、平清盛。1年2組でこの春から通うことになってる。よろしく!」
笑った。今まで家族にしか見せたことのない笑顔。それに呼応するかのように笑う山虎、爛童、杉並。
それからの俺たちは晩飯の時間まで話に話した。中学のことや、みんなの好きな物やいろいろ。もちろん俺の過去も。そして晩飯を高級ホテルですかと言わんばかりの食堂でとり、部屋に戻って就寝まで喋った。今までの俺とは確実に変わった1日になったな。味あえなかったこの感情に胸を高鳴らせ、俺は深い深い眠りについた。
「…た―」
「…すた―」
「…ますた―」
「もう、なかなか起きないなぁますた―。伝えたいことたくさんあるのにな。ま、明日でもいっか。絶対お役に立てるように頑張りますね♪おやすみなさい、ますた―」
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