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「だめだめだめ!風は腐っちゃだめ!早く外にでるわよ!」
実力行使で爛童は杉並を引きずり、ふわわ~といって強制退室を余儀なくされる杉並の姿はぽかぽかするものがあった。
「何か罪悪感残るな。杉並相手だと」
「まぁ、愛らしいからな~。爛童もあれくらい可愛げがありゃもっと人気でるだろうに…」
くくっと笑いながら言う山虎。その後、聞き耳を立てていた爛童にフルボッコにされるのは言うまでもないだろう。
◎
「え?俺のはまだ完成してない?」
そう伝えられたのは入学式の次の日。みんながクラスで装飾品になったAIを見せ合ってワイワイやっている。楽しそうだなぁ。
「まぁ、未完成というか…完成はしているんだが、どういうわけか平のはまだ時間がかかるみたいだな。1ヶ月後には歓迎会も控えているからな。間に合えばいいんだが…」
本当に困ったという感じで腕を組んで黙る十神。
「歓迎会?歓迎会に間に合わないとまずいんですか?」
「ああ。ちょっとした模擬戦をやるんだよ。歓迎会っていう名目でな。とりあえず席に着け。今から説明する」
そう言われ、自分の席に戻る。
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