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「さぁ、次は清盛だぜ。とっととだしな」
山虎が催促するので懐からそれを出す。
ごとっという音を立てて置かれたそれを、口をあんぐりと開け、頭に?を浮かべて山虎、爛童、杉並の3人は黙った。
俺が置いたのは箱。キューブ。昨日貰ったAIそのまんまの状態。
「え~っと。俺のは…なりませんでした」
………、
「「「はぁぁぁぁ!?」」」
3人とも声を上げる。てか杉並のキャラが一瞬崩れたな…。
「なりませんでしたって、あんたどうするの!?てか何でなってないのよ!まさかこれがアンタのAIが導き出した最適の待機状態ってこと!?あ~もう!わけわかんない!!何がどうなってんのよ!!」
早々としゃべる爛童に圧倒され、弁解の隙を与えてもらえずただただ押し黙るしかなかった。
「そうだ、そうだ。これはどういうことや。こんなの先輩方には1人もいなかったぞ」
山虎がまじまじとキューブを眺める。俺のは山吹色の太陽光。太陽の光に照らされれば照らされる程その色を一層増していく。
「不思議ですねぇ~。光がキラキラ輝いて綺麗ですぅ~」
目を輝かせて言う杉並はこれまた可愛らしかった。
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