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ドアをノック。
「お―い定盛、朝だぞ起き…」
ドアを開けるとそこには上半身裸の定盛がいた。
「ふ、ふ、ふにゃ―――――!!」
「うわぁ――――!!」
光の速さでドアを閉める。
「ち、ちょっとそこにいなさいよ!絶対!」
うわぁ、最悪だ。完全に怒ってんな。
下から母さんが「静かにしなさいよ~」と笑う声が聞こえる。
平定盛。15才。いとこでこの春から高校1年生。麗しい女の子だ。名前が男だけど…。
定盛も歴史上の人物と同じ字で昔からイジメられていた、と思っていた。俺が両親を憎めなかったのは定盛がいるからだ。彼女は友達付き合いも良く、家に何度も友達を連れてきた。そんな彼女を見て俺は自分に不甲斐なさを幾度と無く味わっていた。
「は、入っていいよ…」
?なぜ入らないといけないんだ?
「そんなことより出てこいよ。母さんが朝飯だって呼んでるぞ」
ギィィィ、ドアが静かに開く。
「!?」
ドアから現れたのは、ピンクのレースに身を包んだ定盛だった。
「もう、清兄はいきなり入ってくるんだもんなぁ。ところでどう?これ?可愛いかな!。キュンってきた?」
上目遣いで迫ってくる定盛。やべ、超可愛い。
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