5人が本棚に入れています
本棚に追加
ろくろ首 1
おれはプールへ携帯を落としてしまった。
プールの底から拾い上げた携帯は、通話もメールも出来なくなっていた。
プールからの帰り道、白い洋館の前に、一人の少女が立っていた。
少女は麦わら帽子をかぶり、真夏だというのに、長いマフラーを首に巻いていた。
おれはその少女にちょっかいを出して見たくなった。
またぞろ悪いくせが出たのだ。
それが間違いのもとだった。
おれはとんでもない目にあわされることになる。
おれは少女の肩に手を置いて言った。
「お嬢ちゃん、名前はなんと言うの?」
すると少女は、持っていた画用紙に鉛筆で名前を書いた。
そこには亀代と書かれていた。
「亀代ちゃんか。いい名前だね。ところで、暑いのにどうしてマフラーをしてるの?」
亀代がマフラーを取った瞬間、亀代の首がするすると伸びて、おれの首に巻きついた。
「うぐっ!」
おれは失神した。
最初のコメントを投稿しよう!