第1章

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ろくろ首 2 気がついて見ると、せまい部屋のベッドの上に寝ていた。 窓はなく、裸電球が一つあるだけだった。 おれはさっきから首に妙な違和感を覚えていた。 壁にかかっている鏡の前に行くと、首を調べた。 おれは仰天した。 おれの首は少し伸びて、ろくろ首になっていた! あの少女が、おれをろくろ首にしたに違いない。 おれは怒りがこみあげて来た。 こんな首では大学の考古学教室へ顔を出すことは出来ない。 おれはドアをめちゃめちゃに叩いた。 「亀代!開けろ!ここから出せ!」 するとドアの下の隙間から画用紙が入れられた。 おれはそれを拾い上げた。 それにはこう書かれてあった。 「静かにしないと、もっと首を伸ばす」
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