第1章

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ろくろ首 4 しばらくするとドアを開けて、亀代が食事を運んで来た。 「ろくろ首のブス女が作ったものなんか食えるか!ブタにでもやれよ!」 おれは亀代が怒るように悪態をついた。 案の定亀代は食事を床にぶちまけて、ダミー人形の首に、長いろくろ首を巻きつけた。 おれはベッドの下から素早く出ると、亀代のろくろ首をぐいぐいしめあげた。 「よくもおれをろくろ首にしやがったな。この首をへしおってやる」 おれが亀代の首をへし折ろうとした時、亀代の目から大粒の涙が一筋流れ落ちた。 おれは思わず手の力をゆるめた。 それははっとするほど美しい涙だったからだ。
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