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ろくろ首 4
しばらくするとドアを開けて、亀代が食事を運んで来た。
「ろくろ首のブス女が作ったものなんか食えるか!ブタにでもやれよ!」
おれは亀代が怒るように悪態をついた。
案の定亀代は食事を床にぶちまけて、ダミー人形の首に、長いろくろ首を巻きつけた。
おれはベッドの下から素早く出ると、亀代のろくろ首をぐいぐいしめあげた。
「よくもおれをろくろ首にしやがったな。この首をへしおってやる」
おれが亀代の首をへし折ろうとした時、亀代の目から大粒の涙が一筋流れ落ちた。
おれは思わず手の力をゆるめた。
それははっとするほど美しい涙だったからだ。
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