第1章

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ろくろ首 5 おれは亀代がなんだかかわいそうになって来た。 もともと顔はかわいくて、おれ好みだったせいもある。 「安心しろ。首をへし折るのはやめにした。何かわけがありそうだな。話して見ろ」 おれがそう言うと、亀代はぽつりぽつりと話し出した。 亀代の話によると、亀代は小学校で悪ガキ達にいじめられていて、ある日、村の古井戸に落とされてしまった。 古井戸は深く、大声で助けを呼んだが誰も助けに来なかった。 古井戸に落とされて三日目、亀代の首は少しずつ伸びてろくろ首になり、古井戸から出ることが出来たのだ。 おれをろくろ首にしたのは、ろくろ首の悲しみを知ってもらい、悪ガキに復讐して欲しかったのだと言う。
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