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ろくろ首 6
おれは亀代の話を聞くうちに、亀代を古井戸に落とした悪ガキに猛烈な怒りを覚えた。
それと同時に亀代がいっそう愛おしくなって来た。
全く変な気分だ。
「亀代、お前はその悪ガキに復讐したいんだな?」
「ええ」
「おれのやり方は半端じゃないぞ。それでもいいのか?」
「はい」
「よし、わかった。お前に会うにはどうしたらいい?」
「この洋館は誰も住んでないの。私はここにいるわ」
「携帯を持ってるか?」
「持ってないよ」
「そうか。そのうち買ってやろう」
おれは亀代のろくろ首を手当してやると、元に戻してマフラーを巻いてやった。
それからその白い洋館をあとにして、大学へ向かった。
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