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この界隈で、イケメン猫として有名なジョンであった。
アメリカンショートヘアーっぽい容姿と、ピン!っと張った長いヒゲ、しなやかに伸びた尻尾、キザな足取り。
そして、百戦錬磨と言われる喧嘩の強さ。
人気は認めよう。
だが、私に言わせれば、女ったらしの薄汚いノラにすぎない。
もしも、その人気で、この街の市長にでも立候補しようものなら、私は断固として戦う意志を表明しておこう。
…少し、非現実的な例えに、行き過ぎがあったかも知れないが、それほどまでに嫌う理由は1つ。
最近、愛するタマ子に、ちょっかいを出しているからであった。
ちなみに、『ジョン』と名付けたのは私で、大学の頃に留学して来たアメリカ人の名である。
そのイケメンさと、グチャグチャだが、何故かカッコいい日本語で、女子の人気を総ざらいした奴であった。
私も、彼女を寝取られた被害者の一員である。
従って、この二人(二匹)の仲を、断固として許す訳にはいかないのであった。
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