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『お勤めご苦労』
↑ ネコのジョンです。
振り向いた私に、不適な笑みを浮かべながら近づいて来る。
ネコが笑うと…
やっぱりちょっと怖い。
『その手に持ったものを賭けて、勝負しようニャ』
(こいつ、ショップから後をつけてきたな…)
『せっかくだが、これは大切なものなんでね、腹がすいているなら…』
『お~っと、勘違いしてもらっちゃ困るニャ』
ネコにセリフをさえ切られる気分を、始めて味わった。
『食い物には不自由して二ャいニャ。女たちが色々貢いでくれるからニャ~』
両手を仰向け、しょうがなさ気に首を振りながら喋るセリフである。
ネコとは言え、好感は持てないのは確かであった。
『だいたいなぁ、勝負と言っても、何をするつもりなんだ?』
『フッ』
チャラくターンして、右手…いや、右前足か?で、ヒゲをピンとはじくジョン。
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