星の囁き

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「真鍋くん……も、過呼吸……」 「うん、何回か」  俺もストレスが原因だった。  まだ、気持ちと折り合いが付けられずにいた時だ。今はもうなることはない。  空を見上げると西の空が赤く染まり始めていた。俺が「帰ろうか」と声をかけるとこくりと頷いて立ち上がった。  途中までは間宮は俺の少し後ろを歩いていたが、やがて小さく俺を呼び止めた。 「あ……間宮の家はこっちじゃないのか」  まるで謝るように間宮は頷いた。そんな姿に苦笑いが漏れる。 「間宮は何が一番苦手?」 「……え……と」 「話すこと? 俺といることは苦手?」  間宮は逡巡してからゆるゆると首を振った。嬉しかった、単純に嬉しいと感じていた。 「苦手なことも一つ一つ減らしていけばいいよ。俺、手伝ってやるから」 「え……でも、私と、いると、真鍋くん……に、迷惑が」 「別にいいよ。俺、学級委員だし」  そう言って笑うと間宮はきょとんとした顔をした。  そんな姿が可愛かった。  学校で昼間はお互い声を掛け合うことはなかったが、放課後や図書館では二人で過ごすことが増えていった。  間宮を知れば知るほど、俺は引き寄せられていく。  同じように間宮も感じてくれていたら嬉しいのにと願望を抱くことも多々あった。  間宮は二人の時はたどたどしくも楽しそうにおしゃべりをした。 「最初は、真鍋くん、聞いて、ばかり」 「そうだったっけ?」 「うん、私は……うまく、できない、から。真鍋くん、が」 「いろいろと聞き出してたんだな。悪かったな」
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