星の囁き

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 間宮は次の日学校を休んでいた。  俺のせいだ、間宮はもう俺を信じてはくれないだろう。  浅はかな自分をどんなに呪っても無意味でしかなく、罰を与えてくれたほうがどんなに救われたか知れない。  そして、次の日も学校を休んだ。  どうして学校に来ないのだろう、いや違う。俺が学校に来れなくさせたのだ。  間宮はどうしているのだろうか。俺の事を思い出したり……するわけないよな。思い出してもきっと辛いだけだ、間宮は俺を忘れようとしているのだろうと思うと苦しかった。  三日目になっても間宮は登校してこなかった。  何かあったのかもしれない、そう思うと思考は悪いことばかりを連想させて嫌な予感に冷や汗が出てくる。  たまらずに職員室へ向かい、担任に間宮の事を聞いた。出来るだけ冷静に聞いたつもりだったが、緊迫した気配は消えず担任は驚いて間宮の事を教えてくれた。 「今、入院してる」  頭が真っ白になった。  なぜ? 間宮に何があった?  入院……容体は? 無事なのだろうか?  聞きたいことが山ほど出てくるのに口の中がカラカラに乾いていてうまく言葉が出てこない。  どこの病院に入院しているのか、どのくらいで退院できるのか。  間宮は俺の事を───嫌いになってしまったのだろうか。  なんとか病院を聞き出して、俺は授業の残る学校を飛び出して向かった。  病院につくと受付に飛び込むようにして間宮の名前を告げた。物凄い形相に受付の女性は驚いて、間宮の名前を探してくれた。  病棟を教えられて、エレベーターへと乗り込む。  待つ時間も、エレベーターが動いている時間ももどかしくて仕方なかった。  やがて、電子音と共にエレベーターが止まると転がるように廊下へ飛び出して、ナースステーションに声をかけた。  間宮は個室にいると教えてもらえた。  個室にいると言うことは相当悪い状態なのではないだろうかと一抹の不安を抱えながら、さっきまでの慌ただしさとは打って変わり慎重すぎるほどに部屋の前に張り出してある名前を見て回った。  間宮の名前を見つけてドクン、と心臓が一つ大きく鳴った。  ここまで来て急に帰った方がいいのではないかと気持ちが揺らいでしまう。  俺の顔なんて見たくないのではないか、また拒絶されたらどうしたらいいのだろう。
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