星の囁き

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「間宮、退院いつ? 俺がそれまで毎日来るから」  だが、間宮は激しく首を振った。 「わ、私は……平気、だから」  間宮は嘘が下手くそだった。頑張って強がっているのがわかる。  独りで平気なわけないだろ。淋しくないわけないだろ。  俺だって同じなんだ。  誰かと過ごす時間が楽しいと感じてしまった今では、孤独がより一層強く、冷たく感じるんだ。  背を向けたままの間宮と背中合わせになるようにベッドにそっと腰を掛けた。間宮が驚いたのがわかって微苦笑が漏れる。 「迷惑なら言ってくれな」 「めっ迷惑、じゃ……真鍋くん、のほうが……わ、私と……」 「いいよ、別に。いいから」 「……学級、委員……だから?」  戸惑っている声だった。俺は小さく「違うよ」と答えた。  学級委員だからってだけじゃない、そんなんじゃないんだ間宮。俺は周りが思うほどいい奴でも出来た奴でもない。  最低最悪だと罵られても当然のような人間なんだ。  間宮の事を見舞いにくることで間宮の心を傷つけた免罪符を得たいだけなのかもしれない。  謝るのは俺の方なんだ。  そっと振り返ると、どこかぼんやりとしていて焦点の合わない目で間宮は窓の外を眺めていた。  同じように窓の外を見ると目に染みるような青い空があった。  昼下がりの暑さもひと段落したような午後だった。 「なんで……」  ぽつりと囁くように間宮は言葉を落とした。  なんで、そこで切れた言葉の続きに不安を覚える。 「なん、で……私……」
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