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 約束の時間まではまだ間がある。  だから今のこの気持ちも、ゆっくりと噛み締めて楽しもう。  それも含めて、これが“彼”との時間の為の特別な儀式なのだから。  そう自分に言い聞かせ、私は眼鏡を外し、部屋着と下着を脱ぎ浴室へと向かった。  熱めのシャワーを浴び、身体の隅々まで洗う。見られる事を意識して、いつもより念入りに。  次はムーバーの出番。  元々体毛が薄い私は、普段はそれほど気を使わないのだが、今日は丁寧に処理をしていく。  腕を……腋を……脚を……。  そして最後に、秘すべき丘の上を綺麗に剃り上げていく。  無毛になった私の恥丘を見た時、“彼”がどんな反応をするのかを思い浮かべながら。  身体の準備が終わったら、あとは簡単。  流行りも廃りも、私の好みも関係ない。“彼”の好みに合わせるだけでいい。  髪は後ろで束るだけ。メイクはあくまで自然に。服は露出を抑えた清楚な物を。ただし、スカート丈は短めで。  正直、これんな指定をしてくる“彼”の感性は、私にはよく分からない。  私は、もっとお洒落をした方がいいと思う。  でも、“彼”を含む世の中の男達の大半は、女から見れば手抜きとも取れるこんな装いが好きなのだそうだ。  しかも、外見とその中身のギャップが有れば有る程そそると言って、必ず下着にまで注文を付けてくる。  まぁ、今はそんな事はどうでもいい。男受けさえすれば、それで……。  ともかく、これで支度は整った。  あとは待ち合わせ場所に行き、そして…………。 「ぁ……」  秘部感じた、温かいシロップが角砂糖をとかしていくような感覚。思わず吐息が漏れてしまった。  そして、改めて自覚した。  頭でどんな言い訳をしても、身体と本能が、これから訪れるその瞬間を心待ちにしている事。  この身体の火照りが、熱いシャワーを浴びたせいだけでは無い事。  なによりも、私が“彼”にこんなに淫らな女に変えられてしまっていた事を。  
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