炎の中で

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平凡という言葉にこれほど相応しい奴はいないだろう。運動も普通、勉強も普通、趣味も、特技も特にない。桜庭ジンは、窓の外を見た。桜の花がヒラリと迷い込んでくると机の上に乗った。 「はーい、じゃあこの問題を桜庭ー。」 「え?」 「おい、聞いてなかったのか?」 好奇の視線が桜庭にあつまる。 「38だよ。」 後ろから声が聞こえ素直に言うと先生は、「早く言えー。」なんてのんきに言った。 「わりー。」 ジンは、後ろを向いて言った。ジンの親友菊地カイトは、微笑んだ。 成績優秀、男女からも人気の高いカイトには、平凡なんてわからないよなー、などとジンは考え始めた
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