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「……分かった」
「あら、ずいぶんあっさり引き下がるのね」
「こいつは一度言い出したらテコでも引かないからな。もう諦めている」
子供らしからぬ諦観の表情で輪廻はため息を吐いた。
「じゃあ、四人でなんとかしよう!オー!」
「……お、おー」
「ふん」
「ふふ」
* *
「前からお互いのことは知っていたのだけれど、話したのはこれが初めてだったわね」
「結局どうなったんですか?」
「私達四人が動いたのよ。すぐに解決したわ」
言われてみれば当然ですね。兄さん達三人だけでも出来ないことなどないのではないかというのに、そこにミコさんまで加わるんです。
まだ子供だったとしてもたいていのことなら解決してしまうでしょう。
「それを機に私達は話すことが多くなって、次の年にクラスが同じになったことでいつも四人でいるようになったわね」
「もっと昔からの知り合いなのかと思っていました」
「優貴とはね。家も隣同士で親同士も親友だから。物心つく前からずっと一緒だったわ。輪廻も家は近所だったけれど、幼稚園以外じゃ滅多に見かけなかったわ。たぶん、人と接することを避けていたのね」
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