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「今日こそ輪廻を止める」
「出来るの?今まで何度も失敗したじゃない」
「うん、でもやらないとならないんだ。輪廻のやり方は間違っている。このままじゃいつか取り返しのつかないことになるかもしれない」
決意のこもった瞳。力強く握り締められた拳。優貴が誰だけの覚悟を持っているのか天里にはすぐに分かった。
「今の輪廻を止めるなら力づくしかないわよ」
「分かってる。言葉での説得は駄目だった。だから、今度は輪廻土俵に上がる」
「……強いわよ、今の輪廻は。優貴よりもずっと」
「うん」
「ただじゃすまないわよ」
「うん」
「それでも行くのね」
「うん」
揺るがないその表情に天里は止めることは不可能だと悟った。
「天里、お願いがあるんだ」
「手を出すな。かしら?」
「お見通しか。流石天里だね」
「優貴だからよ。誰でも分かる訳じゃないわ」
わずかに頬を染め、視線を逸らした天里に優貴は首を傾げた。
「とにかく、そのお願い聞いてあげる。ただし、高くつくわよ」
「あはは、うん。輪廻を止めた後になんでも天里のお願いを聞くよ」
「それならいいわ」
気負いのない笑顔を浮かべた優貴に天里は一つ頷いた。
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