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別side
「まったく、侵入者とはどういうことだい?」
「申し訳ありません。気が付いた頃には門が何者かに開けられておりまして」
へこへこと頭を下げる長身の男の横をそれよりも背の低い男が、黄金の髪をゆらして颯爽と歩く。
その黒い瞳は執事の目を捕らえた。
「外で寝ているバカどもを今すぐ叩き起こして、奴らの後を追え!」
「は、はい!」
執事は殺気の混じった目で睨まれると声を裏返し返事をした。
そんな執事を横目で見やると、金髪の男はまた歩き始めた。
「あの…王はどちらに」
執事の問いかけに男は振り返る。
「世か?世はミカルの様子を見てくる。何かあればすぐに知らせよ」
男はまた向きなおすと足早に歩いていった。
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