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「山手七海です。宜しくお願い致します」
頭を下げた七海は、おきくよりも制服姿が似合っている。
公立の高校から私立の高校に転入して来る決断をしたのは、並大抵の事では無いはずだが、七海は気負った様子もない。
教室に入って来た時も、席に移動する時も、七海はおきくを意識している様子はなかった。
ホッとしたおきくの胸に、何故か微かな痛みが去来する。
その痛みがなんなのか、おきくには解らない。
この状況で痛んだ理由も。
七海の態度は正しい態度だというのに。
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