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信じられるはずがない。
しかし、少女の言うことも尤もだった。
「…分かった」
賭け。
少女に従う事にした。
*
真っ暗な部屋で一人、布団も敷かず、仰向けで天井を見つめる。
嫌でも今日の出来事を思い出さずにはいられなかった。
何度も何度も吐いた。
それでも吐き気は治まらない。
吐き続けた自分とは違い、少女は作業を淡々とこなした。
笑みを浮かべる事さえなかったが、とても小学生の女の子ができる事ではなかった。
陽の光で橙に染まる部屋で、時折眩しそうにしていた少女の姿を思い出す。
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