【不知火月】

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9月13日、深夜。 ジャリ、と少しだけ地面から音を鳴らしながら、コンクリートで舗装された地面を歩く。 向かうのは彼女の場所。 ふと空を見上げると、限りなく満月に近い月が浮かんでいる。 目は決していい方ではないが、十五夜は昨日だったので、満月ではないことは知識的に分かる。 肉眼では全く欠けているようには見えないが、昨日の今日だと何か物足りない。 昨日の十五夜の美しさには、到底敵いやしないのだ。
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