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そこまで考えて、不意に頭の中を一つの思い出がよぎった。
彼女と初めて一緒に行った夏祭り。あの日も十五夜だった。
「また一緒に十五月を見たい」と言った後、真っ赤に染まった可愛い顔が、脳裏に鮮明に蘇る。
無性に彼女に会いたくなって、走り出した。
体力なんて全然無いくせに、思い切り走った。
月が雲に隠れて、光が少なくて何度もこけそうになっても、足は止まらなかった。
会いたい。遇いたい。逢いたい。
唯それだけしか頭になくて。
自分を傷つけるだけだと、分かっているのに。
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