【不知火月】

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『ねぇ、あなたは知ってる?』 『何を?』 『I love you の日本語訳に関するお話』 『え、普通に「愛してる」じゃないの?』 『今はそうだけど、実はね、 その言葉が伝わってきた当時に「愛してる」って言葉はなかったのよ』 『え、そうなの。じゃあ昔の人は何て言ってたんだろう』 『そう思うでしょ? でね、当時翻訳家をしてた夏目漱石が、すごく素敵な訳し方をしたの』 『へぇ……きっと、凡人じゃ想像できないようなのなんだろうね』 『そうねぇ、少なくともあなたじゃ無理だと思うわ』 『酷っ。で、なんて訳したの?』 『ふふ、それはね―――』
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