【不知火月】

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「あ、あぁ、ぅあ。あぁぁあああ」 今度こそ、我慢することはできなかった。 息ができない。胸が苦しい。 むねが、いたい。 やっと、厚い雲から出てきた月。 嗚呼、こんなにも綺麗なのに、こんなにも近いのに。 たった一日前の姿には、勝てないんだ。 たった一日前の美しさには、届かないんだ。 違いなんて、ほんの少ししかないのに。
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