再会は春風のように軽やかに

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 紀勢 遥(きせ はるか)は、休日を利用して、1歳下の親友・泉原 賢(いずみはら たかし)と共に病院に来ていた。  いや、正確には賢に引っ張られて、渋々病院に来た。というのが、正しい。  面倒くさくて、健康診断をサボっていた事が、遥が仕える玻里宮家当主・玻里宮 正吾にバレて、よりによって賢に連絡された。  正直。正吾に逆らう事は出来ない・しない遥でも、賢だけには、連絡しないで欲しかった。と思っていた。  はっきり言おう。  賢は、その優しい笑みと穏やかな物腰と、男女の別なく分け隔てない態度に惑わされると、とんでもない事になる。  決して惑わされるな。  これが賢と付き合う上での絶対条件だ。
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