プロローグ

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この真っ白な雪みたいに汚れた心を消してほしい。 血まみれの少女は静かに一筋の涙を流す。 純白の絨毯のような雪が血と混ざり、溶けて消えていった。 白銀に光輝くナイフを持ち、そして少女も闇に消えていく。 何年が経ったのだろう? 彼女は死神と呼ばれる最強の"殺し屋"になった。 貰った依頼は必ずこなし、ターゲットを逃がさず、無駄な殺しはしない。 特定の依頼人やギルドを持たない謎の殺し屋。 その圧倒的な強さを持つ殺し屋を人々はこう語る。 ―――死神のリーシャ この名を聞いたものは背筋が凍り、顔を青ざめるだろう。 これはリーシャが最初に殺した人間の記憶。 そして、これから始まるのは、リーシャの人生の始まりの記憶。 暗闇の中で血塗れのリーシャはかすかに笑った。 今日もリーシャはどこかで、殺しをしている。
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