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ソウちゃんが川上村を離れる朝、私は小高い丘の上からずっとバスを見送ったんだよ。
レタス畑の間を縫うようにどんどん小さくなっていくバスは、涙で霞んでいた。
……、後悔していた。
好きだと言えなかった事を、後悔していた。
ソウちゃんの事を忘れないように私は暇を見つけては、叔母ちゃんの仕事を手伝ったり、たまに夕飯を作っていた。
ズルいよね……、ソウちゃんの事を忘れないように、叔母ちゃんで繋いでいる私は……、ズルい女なのかも知れない。
ソウちゃんを追い掛けて大阪に行こうと何度も本気で考えた事もあったよ。
でも、叔母ちゃんを独りには出来なかった。
叔父ちゃんもソウちゃんも居ない独りぽっちの叔母ちゃんには出来なかったんだ。
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