ごめんね、ありがとう

4/8
前へ
/39ページ
次へ
. 「……、ソウちゃん、来るのかな?」  長椅子の背もたれに背中を預けながら胸の中で呟いていた。 「少しの時間なら面会できますよ?」  いつの間にか眠っていた私を看護士さんが起こしてくれた。 「あっ、ありがとうございます!」  私は看護士さんにお礼を言うと病室へと急いだ。 「叔母ちゃん、心配したよ」  ソウちゃんのお母さんの顔を見た途端に涙が遠慮を忘れ始めた。  叔母ちゃんの手を握りしめて、叔母ちゃんの胸でしゃくりあげたんだ。 「おんぼろな身体だからねぇ、心配掛けてごめんよ」 「……」  叔母ちゃんは私の髪を優しく撫でてくれた。  私は叔母ちゃんの優しい言葉に首を何度も横に振って、言葉の代わりに鼻を啜るのがやっとだった。 「みぃちゃん、仕事は?」 「うん、今日は休み取ったから大丈夫」 「私の事はいいから、仕事行きなさい」 「ううん、今日は叔母ちゃんの側に居るから」  叔母ちゃんの頬を涙が伝っていた。 .
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加