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「叔母ちゃん? もう無理しちゃダメだよ……」
私は叔母ちゃんの手を離しながら涙を手のひらで拭うと病室のカーテンを開けた。
窓越しから微かに朝陽が差し込んだ。
「ごめんよ、心配ばかり掛けて……」
「ううん、私は大丈夫だから」
やつれた顔の叔母ちゃんとソウちゃんが頭の中で交差していた。
「みぃちゃんは、草太の事をどう思ってるの?」
「えっ?」
突然の言葉に私は叔母ちゃんを振り返った。
「みぃちゃんみたいな人が草太の側に居てくれたらなんて、思ってね」
「あはは、叔母ちゃん買い被り過ぎだよ。私なんて……」
私は言葉を詰まらせていた。
叔母ちゃんの言葉が嬉しすぎて、ソウちゃんとの距離が近くなった錯覚さえ感じていた。
「実はね、みぃちゃんにずっと云えてない事があってね……」
「……、うん」
叔母ちゃんはベッドから手を差し伸べて、私の手を握りしめてくれた。
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