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「もっと早くレタスを作っていれば、あの子はあの子らしく過ごせたのかも知れない……」
叔母ちゃんが手に持つリンゴが震えていた。
「……、そんなに、自分を責めないで下さい。ソウちゃんだって分かってるよ、だから此処へ駆けつけて来るんだよ、叔母ちゃんのことが心配だから……、リンゴ食べよう?」
叔母ちゃんが手に持つリンゴが震える度に、私はしゃくり上げそうになる胸の暴走を抑えるのに必死だった。
「……、辛かったに違いない、私の身体が弱いから、そんな理由でレタス作らないかいって、どの面下げて言えようか……、早くにレタスを作らなかったばかりに……、今更言えやしない」
「……、叔母ちゃん、リンゴ食べようよ」
胸の暴走を抑えることが出来なかった。
私は叔母ちゃんの胸に飛びついて、遠慮無くしゃくり上げたんだ。
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