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みぃが初めてオレのことをキャベツと呼んだ。
何故だろう? 嫌な気がしなかったのは……。
「なに二人でめそめそしてるん?」
「ん? してないよ? キャベツのことをどうやってとっちめてやるか相談中だったんだ」
お袋がクスクス笑ってた。
「俺はなんもしてへんがな、まぁお袋が元気そうで良かったけど」
「おぉ、気が利いたこと言うねぇ」
みぃの憎まれ口に何故だか引き込まれて行く俺が居た。
あの時、必死で書いた手紙を渡せば良かったと、思い始めていたんだ。
相変わらず憎まれ口を吐くみぃだったけど、きれいだった。
照れ臭くささが素直になれない俺を運んで来る。
「そんなことより大丈夫なんかいな、身体の方は」
「二、三日入院だけど、もう大丈夫、悪かったねわざわざ来て貰って」
お袋の顔の皺が増えていた。
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