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「なによ偉そうに、無理すんな? 約束しただろ? ったく頭に来る。散々叔母ちゃんをほったらかしにしておいて、良く言えるわよ」
病棟の廊下を勇み足で歩きながら、さっきまでソウちゃんと座っていたベンチに向かっていた。
「あぁもうっ! この性格なんとかなんないのっ!」
私は頬を膨らませながらベンチに勢い良く腰掛けて腕を組んだ。
「せっかくソウちゃんと会えたのに……、嫌われちゃったかな」
さっきまで愛しさを感じていた桜の枝も、今はクスクス笑われているようにさえ思えてきた。
なんで素直になれないの?
自分に問い掛けてみても答えは出なかった。
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