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「なぁ、お前の今の気持ち.....いや、何でもねぇ。」
遊李は、一瞬私の目を見つめたがすぐに視線を下に流した。
好きだと思う。
でもその気持ちは100%?
遊李の全部を好きなの?
貴女は、彼の全てを受け入れる、覚悟はあるの?
分からない。だけど、伝えたい。
伝えなきゃいけないんだ。
だって、彼はこんなに私を想ってくれてるんだから。
恋に臆病になっているのは、分かってる。
だけど、私がこんな風に悩んでいたら遊李も嫌な気分にならないだろうか。
せっかく差しのべてくれた彼の手を、私は払い除けている気がする。
私の本当の想いを、彼に伝えるのが良いのではないだろうか。
「遊李...」
私は彼の右手を取って、自分の手を重ねた。
言おう。もう、言ってしまえばいい。
どうなろうと、構わない。
そして、ギュッと彼の手を握って、私は遊李の瞳を見る。
「好き。」
彼の瞳に写った私の口は、そう動いていた。
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